【相続税申告の失敗事例】財産把握漏れによる追徴課税と対策ポイント

相続税の申告は、亡くなった方の財産を正しく把握し、期限内に申告・納付する必要があります。
しかし、相続財産の確認が不十分だと「申告漏れ」が発生し、追徴課税や税務調査に繋がるリスクがあります。

この記事では、実際に起きた失敗事例を紹介し、財産把握漏れを防ぐ具体策を解説します。
「相続税なんて自分には関係ない」と思う方ほど、ぜひ参考にしてください。


事例紹介:父の口座が見つからず、申告漏れに

亡くなった父の相続を進めていた長男。
預貯金や自宅の不動産など、目に見える財産は一通りリスト化し、税務署に相続税申告書を提出しました。

ところが申告から1年後、税務署から「申告漏れの可能性がある」との連絡が。
父が生前、別の銀行に隠し口座を持っていたことが判明し、その残高は約1,500万円
申告時にこの口座を見落としていたため、相続税の追加納付に加え、無申告加算税や延滞税が課される事態となりました。

さらに、隠し口座を知らされていなかった他の相続人から「隠していたのでは」と疑われ、兄弟間の関係も悪化してしまいました。


失敗の原因:財産調査を「目に見えるもの」だけで済ませた

この事例の失敗の本質は、財産調査の不十分さです。
相続税申告に必要な財産把握は、単に目につくものや、被相続人が口頭で伝えていたものをリスト化するだけでは不十分です。

特に以下のような財産は、相続人が把握しにくく、申告漏れの原因になりがちです。

  • 被相続人名義以外の口座(家族名義の「名義預金」など)
  • 自宅以外の不動産(相続人が把握していない地方の土地など)
  • 生命保険・株式・投資信託(書類が見つからず、存在自体を知らないケース)
  • 貸付金・借入金(親族間でのお金の貸し借りなど)

また、財産の把握を相続人だけで進めると、「見落とし」や「認識のズレ」が生じやすく、結果として申告漏れに繋がります。


対策:財産調査の徹底が相続税申告の成否を分ける

相続税申告で最も重要なのは、「亡くなった方の財産を漏れなく把握する」ことです。
そのために、以下の具体策を徹底しましょう。

① 金融機関に「すべての取引履歴」を開示請求

相続発生後、被相続人が利用していたすべての金融機関に取引履歴を請求し、口座の有無を確認しましょう。
取引履歴には、過去の送金先や受取口座の情報も残っており、隠れた財産の手がかりになります。

② 被相続人の郵便物・契約書類を確認

亡くなった方宛ての郵便物や、タンスの中の契約書類などを徹底的にチェック。
特に証券会社や保険会社からの通知は、見逃さないよう注意が必要です。

③ 不動産の名寄帳を取得

市区町村役場で「名寄帳」を取得すると、その地域にある被相続人名義の不動産が一覧でわかります。
地方に思わぬ土地を所有しているケースもあるため、必ず確認しましょう。

④ 相続税専門の税理士に依頼

財産の洗い出しや評価は専門知識が必要です。
特に、名義預金評価の難しい財産(未上場株式など)は、プロに任せることで申告漏れリスクを大幅に下げることができます。

⑤ 生命保険や年金、退職金なども漏れなくチェック

生命保険の死亡保険金や、勤務先から支給される死亡退職金なども相続財産に含まれます。
生命保険会社や勤務先に必ず問い合わせを行い、必要な書類を揃えましょう。


まとめ

相続税申告の失敗事例として、財産把握漏れが非常に多く発生しています。
一度申告漏れが発覚すると、税務調査や追徴課税、延滞税など大きな負担につながるだけでなく、
親族間の不信感やトラブルの火種になることもあります。

相続税申告を「何とかなる」と甘く考えず、最初から専門家に相談し、正確な財産把握と適切な申告を行うことが重要です。
相続は一生に何度も経験するものではありません。早めに対策を講じ、大切な財産を守りましょう。

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