相続が発生すると、相続税の対象となる財産とかからない財産があります。
どの財産が課税対象になるのかを正しく理解することで、相続税の申告や対策をスムーズに進めることができます。
本記事では、相続税の課税対象となる財産、評価方法、非課税となる財産について詳しく解説します。
相続税を正しく理解し、適切な準備を行いましょう。
相続税の課税対象となる財産一覧
相続税がかかる財産は、被相続人が死亡時に所有していた財産や、相続により取得した財産が対象になります。
主な課税対象財産は以下の通りです。
金融資産
- 現金
- 預貯金(普通預金・定期預金・外貨預金など)
- 株式・投資信託
- 国債・社債
不動産
- 土地(宅地・農地・借地権など)
- 建物(自宅・賃貸物件・店舗など)
事業用資産
- 会社の株式(自社株)
- 工場・倉庫
- 設備・機械
その他の資産
- 貴金属・骨董品
- ゴルフ会員権
- 特許権・著作権
相続税法第2条 に基づき、これらの財産は相続税の課税対象となります。
不動産、現金、預貯金の評価方法
相続税を計算するためには、財産の評価額を算出する必要があります。
評価方法は、財産の種類ごとに異なります。
現金・預貯金
- 現金 → そのままの額で評価
- 預貯金 → 相続開始時の残高+未収利息(定期預金の場合は解約時の額)
不動産
- 土地 → 路線価方式または倍率方式で評価
- 建物 → 固定資産税評価額を基準に評価
根拠法令
- 相続税法施行令第5条の7(財産の評価方法)
株式・投資信託・事業用資産の評価
上場株式
- 相続開始前の過去3か月間の終値平均、相続開始日の終値のいずれか低い価格で評価。
非上場株式(自社株)
- 会社の利益・純資産・配当額などを基準に評価(類似業種比準方式など)。
投資信託
- 相続開始日の基準価額で評価。
事業用資産
- 設備・機械 → 時価評価
- ゴルフ会員権 → 相続開始時の市場価格
根拠法令
- 相続税法第22条(財産の評価)
生命保険の非課税枠と適用条件
生命保険の死亡保険金は「みなし相続財産」として課税対象となりますが、非課税枠が設定されています。
生命保険の非課税枠
- 非課税枠 = 500万円 × 法定相続人の数
- 例えば、法定相続人が3人の場合、500万円 × 3人 = 1,500万円まで非課税。
非課税枠が適用される条件
- 受取人が法定相続人であること。
- 被相続人が契約者であり、被相続人が保険料を負担していた場合。
根拠法令
- 相続税法第12条(非課税財産の範囲)
相続税がかからない財産の具体例
相続税の課税対象とならない財産には、法律で定められた非課税財産があります。
公的な財産
- 墓地・仏壇・仏具
- 国や地方自治体へ寄付した財産
受取人固有の財産
- 生命保険金(非課税枠を超えない部分)
- 死亡退職金(非課税枠あり:500万円 × 法定相続人の数)
扶養義務者間の贈与
- 配偶者の居住権(民法第1028条)
- 子どもへの学費・生活費の援助
根拠法令
- 相続税法第12条(非課税財産)
まとめ
相続税の対象となる財産と非課税財産を正しく理解することで、適切な相続税対策を講じることができます。
相続税がかかる財産
- 現金・預貯金
- 動産(宅地・建物)
- 株式・投資信託
- 生命保険金(非課税枠超過分)
相続税がかからない財産
- 墓地・仏壇などの祭祀財産
- 生命保険金(非課税枠内)
- 国や地方自治体への寄付財産
相続税の申告は相続開始後10か月以内に行う必要があります。
早めに準備を進め、正しい手続きを行いましょう。