【自分で相続税計算】不動産を活用した節税方法

不動産は相続財産の中でも評価額をコントロールしやすい資産の一つです。
適切な手法を活用することで、相続税の負担を軽減し、スムーズな財産承継を実現できます。

本記事では、不動産の評価を下げる方法、不動産投資と相続税の関係、タワーマンション節税の現状について解説します。


不動産の評価を下げる方法

相続税は、相続財産の評価額を基に計算されるため、不動産の評価額を下げることで相続税を軽減できます。
以下の方法を活用すると、評価額を抑えつつ、円滑な資産承継が可能になります。

貸家建付地(賃貸不動産)の活用

賃貸用の不動産を所有している場合、土地の評価額を減額できるメリットがあります。

  • 貸家建付地の評価減
    自分で使用する土地より、賃貸に出している土地の方が評価額が低くなります。
    計算式: 貸家建付地の評価額 = 自用地評価額 ×(1 - 借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合)
    例えば、借地権割合が60%、借家権割合が30%、賃貸割合が100%の場合、 評価額 = 自用地評価額 × (1 - 0.6 × 0.3 × 1) = 自用地評価額 × 0.82(約18%の評価減)
  • 貸家の評価減
    賃貸用の建物は、自宅として使用する場合と比べて借家権割合(通常30%)の評価減が適用されます。

根拠法令

  • 財産評価基本通達 第26条(貸家建付地の評価)

小規模宅地等の特例を活用

特定の土地を相続する場合、最大80%の評価減が適用される制度です。

  • 居住用宅地(自宅):最大330㎡まで80%評価減
  • 事業用宅地:最大400㎡まで80%評価減

例えば、評価額1億円の自宅がこの特例を受けると、

1億円 × 20%(80%減額)= 2,000万円

となり、相続税の課税対象額が大幅に減少します。

根拠法令

  • 相続税法 第69条(小規模宅地等の特例)

不動産投資と相続税の関係

不動産投資は、相続税の節税対策としても有効ですが、税務リスクもあるため慎重な判断が必要です。

不動産を購入すると評価額が下がる理由

不動産は、実際の購入価格(市場価格)と相続税評価額(課税価格)に差があるため、
評価額を抑えつつ資産を残すことが可能です。

  • 現金 → 不動産に換えると評価額が減る
    例:1億円の現金を1億円の賃貸物件に投資 不動産の相続税評価額(70%)→ 7,000万円に減少
  • 借入を活用して投資する
    不動産投資を行う際に借入を活用すると、負債として控除されるため、相続財産を圧縮できる

不動産投資の注意点

  • 市場価格が変動するリスク(購入後に資産価値が下がる可能性)
  • 過剰な節税対策は税務調査の対象になりやすい(意図的な評価操作は否認される可能性)
  • 空室リスクや維持管理費用を考慮する(収益性のない不動産は負担になる)

不動産投資は、相続税対策だけでなく、賃料収入や資産運用の観点からも総合的に判断することが重要です。

根拠法令

  • 相続税法 第13条(課税財産の評価)

タワーマンション節税の現状

タワーマンション節税とは、高層マンションの1室を購入し、不動産評価額の低さを活用して相続税を軽減する手法です。

タワーマンション節税の仕組み

タワーマンションは、一般的に固定資産税評価額や相続税評価額が低く算定されるため、
市場価格に比べて評価額が抑えられる傾向があります。

例えば、1億円の現金でタワーマンションを購入すると、
相続税評価額が2,000万円~3,000万円となる場合があり、
現金のまま相続するよりも相続税の課税対象額を減らせる可能性があります。

タワーマンション節税の規制

近年、過度な節税対策が問題視され、規制が強化されています。
特に、2023年以降、国税庁が不動産の「時価」ベースで課税する方向性を示しており、
単純な節税目的でのタワーマンション購入は慎重に判断する必要があります。

タワーマンション節税のポイント

  • 購入するなら実需も考慮する(投資用ではなく、自宅用)
  • 将来的な税制改正を見越し、長期的に運用する
  • 単なる節税目的ではなく、不動産としての資産価値を見極める

根拠法令

  • 相続税法 第13条(課税財産の評価)
  • 財産評価基本通達 第12条(不動産の評価基準)

まとめ

  • 不動産の評価を下げる方法として、貸家建付地や小規模宅地等の特例を活用すると相続税の課税額を抑えられる。
  • 不動産投資を活用することで、相続財産の評価額を引き下げつつ、賃貸収益を得ることも可能。
  • タワーマンション節税は、過度な対策が規制強化の対象となっており、慎重な判断が必要。
  • 相続税対策として不動産を活用する場合、税務リスクや市場リスクを十分に考慮することが重要。
  • 長期的な視点で不動産の価値や税制を考慮し、適切な節税対策を行うことが求められる。

不動産を活用した節税は、適切な計画と専門家のアドバイスが重要です。
今後の税制改正も視野に入れながら、慎重に進めましょう。

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