相続税は、相続財産の額に応じて税率が変わる「累進課税制度」が採用されています。
相続財産が多いほど税率が高くなり、相続人ごとの取得額に基づいて税額を計算します。
本記事では、相続税の税率一覧、課税価格ごとの税率の違い、税額の計算手順、具体的な計算例について詳しく解説します。
相続税率の一覧表
相続税の税率は、課税価格(基礎控除後の遺産総額)に応じて決まります。
以下の表のとおり、相続財産が多いほど税率が上がります。
課税価格(基礎控除後) | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000万円以下 | 10% | なし |
1,000万円超~3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
3,000万円超~5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
5,000万円超~1億円以下 | 30% | 700万円 |
1億円超~2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
2億円超~3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
3億円超~6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
6億円超 | 55% | 7,200万円 |
課税価格ごとの税率の違い
相続税は、課税価格に対して一律の税率を適用するのではなく、一定額ごとに異なる税率が適用されます。
これにより、全額に最高税率が適用されるわけではなく、超過した部分に対してのみ高い税率がかかる仕組みになっています。
例えば、課税価格が 5,000万円 の場合、以下のように税率が段階的に適用されます。
- 1,000万円まで → 10%(100万円)
- 1,000万円超~3,000万円まで → 15%(300万円)
- 3,000万円超~5,000万円まで → 20%(400万円)
合計税額は、100万円 + 300万円 + 400万円 = 800万円 となります。
税額の計算手順
相続税を計算する手順は、以下のステップで進めます。
- 相続財産の合計額を計算する
- 不動産、預貯金、株式、生命保険などを含めた総額を算出する。
- 基礎控除額を引く
- 計算式:「3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」
- 課税価格に応じた税率を適用する
- 累進税率をもとに税額を計算する。
- 各相続人の税額を求める
- 各人の法定相続分に応じた取得額をもとに税額を算出する。
- 税額控除を適用する
- 配偶者控除や未成年者控除など、適用可能な控除を引く。
具体的な計算例
相続財産が8,000万円、相続人が配偶者と子1人(2人)の場合
- 基礎控除額を計算する
3,000万円 + 600万円 × 2 = 4,200万円
- 課税価格:8,000万円 - 4,200万円 = 3,800万円
- 相続人の法定相続分を考慮する
- 配偶者 1/2(1,900万円)
- 子 1/2(1,900万円)
- 各相続人ごとの相続税額を計算する配偶者の税額
- 1,900万円 → 15%(税額:285万円)
- 配偶者控除適用(1億6,000万円まで非課税) → 税額 0円
- 1,900万円 → 15%(税額:285万円)
- 最終的な相続税の合計額
- 285万円(子のみ課税)
このように、配偶者控除が適用されると、相続税の負担が大幅に軽減されます。
まとめ
- 相続税は累進課税制度が採用され、財産が多いほど高い税率が適用される。
- 基礎控除後の課税価格に応じて、税率が段階的に変わる仕組みになっている。
- 税額の計算は、課税価格を求めた後に累進税率を適用し、必要な控除を引く手順で行う。
- 配偶者控除などの特例を活用すれば、相続税の負担を軽減できる。
- 相続税の計算は複雑なため、必要に応じて税理士に相談すると安心。
適切な相続税対策を行い、税負担を抑えながら円滑な相続手続きを進めましょう。