相続税は、一定の基準を超える遺産を相続した場合に発生し、申告・納付の期限が厳格に定められています。
もし期限を守らないと、加算税や延滞税などのペナルティが課される可能性があります。
本記事では、相続税の申告期限、期限を過ぎた場合のペナルティ、期限後申告・修正申告の手続き、延納・物納の活用方法について詳しく解説します。
相続税の申告期限はいつ?
相続税の申告期限は、相続開始(被相続人の死亡)から10か月以内と定められています。
申告と納税の両方を、この期限までに完了しなければなりません。
具体的な期限の計算方法
例えば、被相続人が2025年1月15日に亡くなった場合、相続税の申告・納付期限は2025年11月15日となります。
期限が土日祝日に当たる場合は、翌営業日が期限になります。
根拠法令
- 相続税法 第27条(申告期限)
申告期限を過ぎた場合のペナルティ
相続税の申告期限を守らなかった場合、以下のペナルティが発生します。
無申告加算税
- 申告を期限内にしなかった場合に課される。
- 税務署の指摘前に自主申告 → 5%~10%の加算税
- 税務署の指摘後に申告 → 15%~20%の加算税
延滞税
- 納付期限を過ぎた場合に日割りで発生。
- 納期限の翌日から2か月間 → 年7.3%(または法定利率)
- 2か月経過後 → 年14.6%
重加算税
- 虚偽の申告や財産の隠ぺいがあった場合に課される。
- 相続税の35%~40%が加算される。
刑事罰(脱税行為)
- 意図的に相続税を免れた場合 → 10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金。
根拠法令
- 相続税法 第68条(罰則)
- 相続税法 第69条(無申告加算税)
期限後申告・修正申告の手続き
期限後申告
期限を過ぎてしまった場合でも、自主的に申告すればペナルティが軽減される可能性があります。
- 必要書類:相続税申告書、財産評価書類、納付書など
- 提出先:被相続人の住所を管轄する税務署
修正申告
すでに申告した相続税に誤りがあった場合、修正申告が必要です。
- 誤りを見つけた場合 → 納税者自ら修正申告を提出
- 税務署の指摘を受けた場合 → 追加納税に加えて過少申告加算税が課される
根拠法令
- 相続税法 第31条(修正申告)
- 相続税法 第30条(期限後申告)
延納・物納を活用する方法
相続税の納付が困難な場合、延納や物納を利用することで、負担を軽減できます。
延納(分割払い)
- 納税額が10万円を超え、金銭一括納付が困難な場合に適用
- 最長で15年間の分割払いが可能(不動産が遺産の50%以上を占める場合)
- 利子税が発生
物納(財産での納税)
- 延納でも納税が困難な場合に限り適用
- 国が定めた財産(不動産など)を納税に充てることが可能
- ただし、審査が厳しく、承認されないケースもある
根拠法令
- 相続税法 第38条(延納の要件)
- 相続税法 第41条(物納の要件)
まとめ
- 相続税の申告・納付期限は相続開始から10か月以内
- 期限を過ぎると無申告加算税、延滞税、重加算税などのペナルティが発生
- 期限後申告・修正申告を行うことでペナルティを軽減できる可能性がある
- 納税が困難な場合は、延納(分割払い)や物納(財産納付)が可能
相続税は期限を守ることが重要ですが、万が一遅れてしまった場合でも適切な対応を取ることで、負担を最小限に抑えることができます。